[2011.09.14]エコツアーカフェ神戸34
ゲスト:木村 太郎さん
(エコツアーガイド/株式会社EGGS代表取締役)
年齢、性別、障害の有無---そんな違いを超え、誰もが同じく自然を楽しめるツアーに目覚め、そして実践中のツアーガイド・木村太郎さんをゲストに迎えます。
自然は誰にでも平等に接してくれる。障害があろうが、お年寄りだろうが、赤ちゃんだろうが関係ない。確かにエベレストの山頂に行けるのはわずかな人たちだが、僕らはみな、そこに行く夢を見ることはできる。
「では、自然と人とをつなぐガイドに関してはどうだろう。ガイドはみなに平等だっただろうか。そう考えた時に不安になった」という木村さん。
たまたま出会った、ろう(聴覚に障害があり手話を使っている方)の友人との縁がきっかけとなり、手話という新しい言語を手に入れられました。
まずはろうの方と一緒に自然に出ようと活動を始め、現在は、「シーカヤック」「トレッキング」「ラフティング」「ナイトハイク」などなど、たくさんのプログラムを実施しています。
この活動が日本中に広がり、そして対応できる障害や年齢も増えていくこと。それがミッションと語る木村さん。バリアフリーの心から生まれたエコツアーについて、熱い想いをお話ししていただきます。
【きむら たろう】 株式会社EGGS代表取締役。2007年まで長野県上高地にて、ネイチャーガイド団体「NPG」主宰として活動。「上高地を好きになってもらう」を合言葉に、年間2000人を超す参加者を案内する。 2007年にEGGSを立ち上げ、手話でガイドを行なうなどのバリアフリーのエコツアーやプラネタリウム、こどもキャンプなどの自然体験を実施。また能登半島の海や山の幸を販売する地域活性化事業なども手がける。
<株式会社EGGSウェブサイト>:http://www.eggs-nature.net/index.html
「エコツアーガイド」という肩書を聞いてどのような人を想像するでしょうか。 この業界では、有名なガイド(インタープリター)に共通する点があると言われ、そ の中でもメガネと髭が特徴のガイドが数多くいます。今回のゲスト、木村太郎さんも、このメガネと髭がトレードマークのガイドです。一方では高原リゾート、日本アルプスの麓として知られる上高地で、初めて民間のガイド組織を立ち上げ、自然と人、人と人をつなぐ仕事を創りだし、実践してきた人です。
自然を守るためには、自然を好きになってもらうことが一番の近道、と語る太郎さん。数多くの人が訪れる上高地には、様々な要望を持ったガイドの依頼があったそうです。そんな中、「車いすの対応をしてもらえるか」という相談があり、十分対応できなかったことが、太郎さんのガイド観を変えるきっかけとなったそうです。
自らの経験を話しながら、手話でも逐次通訳するという離れ業をしつつ、2007年に大阪に移り立ち上げた「EGGS=Earth Get Guide Service」での活動についても紹介していただきました。拠点としている池田市周辺は、身近な場所に山・川があり、ナイトハイクや生き物探しなどを行っています。六甲山同様、街中からぷらっと気軽に参加できるエコツアーがいろいろありそうです。
最後に太郎さんが紹介していたのは、自身のホームグランドの1つ、上高地で出あえる「奇跡の瞬間」。樹齢250年以上といわれる桂の木が1年に1日だけ、しかも30分で葉っぱをすべて落とすという奇跡。毎年10月の中旬頃に見られるということですが、今年はいつになるのでしょうか。
自然学校が全国に3000あまりあると言われる一方、関西エリアでは、まだその存在が十分知られていません。同世代として、そして仲間、時にライバルとして、太郎さんにエールを送りたいと思います。
ホールアース自然学校 大武圭介
★エコツアーカフェ in 神戸★
『すべての人が一緒に自然を楽しめる世界を目指して』
【ゲストスピーカー】木村 太郎さん(株式会社EGGS代表取締役)
【日時】2011年9月14日(水)18:30-20:00
より大きな地図で エコツアーカフェ in 神戸(モンベルクラブ 神戸三宮店) を表示
【参加費】500円(飲み物付)
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972