[2011.10.12]エコツアーカフェ神戸35
ゲスト:高見沢 清隆さん(六甲ミーツ・アート「芸術散歩2011」共同キュレーター)
この秋も『六甲ミーツ・アート「芸術散歩2011」(RMA)』が神戸・六甲山で始まりました。このRMAの実施の中心を担う共同キュレーター・高見沢清隆さんに、旬真っ只中のRMAの見所や楽しみ方をお聞きします。
明治時代に居留外国人によって「発見」された、レジャーの拠点としての六甲山。 日本初のゴルフ場、山荘、アイススケート、ロッククライミングと、それまでの日本にはなかった新しい遊び方、楽しみ方を次々と世に送り出してきた六甲山は、レジャーが多様化した現代においても、やはり常に進取の気性で山を盛り上げようという人が集まる場所になっています。
六甲山レジャー史の最新地点である今、山をあげて盛り上がりを見せているのが、ご存知『六甲ミーツ・アート「芸術散歩2011」(RMA)』。山全体がミュージアムとなる現代アートの芸術祭です。その仕掛け人の一人・高見沢さんは、六甲山で10年以上にわたって自然や人が生みだす芸術・文化の発信に取り組んできました。
100年の山のレジャー史をよく知る六甲文化人から、これまでの変遷とその最新型であるRMAの魅力を聞き、そしてその先にある六甲山の将来像を一緒に描いてみましょう。
【たかみざわ きよたか】 六甲ミーツ・アート「芸術散歩2011」共同キュレーター/オルゴールミュージアム「ホール・オブ・ホールズ六甲」館長。ドキュメンタリー写真の撮影業の後、学芸員資格を得て清里の「萌木の村博物館」勤務。この時期にオルゴールを含む自動演奏楽器の研究を始め、1998年よりホール・オブ・ホールズへ。昨年度始まった六甲ミーツ・アート「芸術散歩2010」(RMA)では事務局長を務め、第1回を成功裏に終わらせた。今年度もRMA共同キュレーターとして、昨年以上の盛況を目指し精力的に活動中。
<ホール オブ ホールズ六甲 ウェブサイト>:http://www.rokkosan.com/hall/
当日は、明治期からの六甲山の変遷を、詳しい年表を元にお話しいただきました。「ハゲ山」だったころの六甲山から、居留外国人が社交の場としてさまざまなレジャーを楽しんだ場所としての六甲山。水害に悩まされて多くの人の手によって植林が進められた歴史。さらに、阪神電鉄、阪急電鉄が開発に取り組んできた変遷、国立公園に指定されてからの六甲山。ずいぶんまじめそうなお話・・・と思うかもしれませんが、いえいえ、時々、笑顔の高見沢さんが交えてくださるユーモラスなお話や知られざる六甲の珍事件などの紹介に、会場からは笑い声があがる場面も。
そして今、開催中の六甲ミーツ・アート芸術散歩2011。地域に作品を点在させて魅せる現代アートの芸術祭のひとつですが、瀬戸内海国立公園の一部である六甲山は、景観や自然保護のために、屋外の作品展示に色・大きさ・素材など多くの制約があり、現在の展示が実現するまでに多くの難関があったようです。自由なはずのアート作品も、その意義と「自然を守る」こととのせめぎあい。しかし、作家の想いを自由に表現することと、自然を守ること。それは決して相反することばかりではないはず。
自然の中で作品を展示すること、それを楽しむこと。そしてその先に見え隠れする人と自然の共存。それぞれの意味を、ほんの少し考えて観賞するのも、また違った「六甲ミーツ・アートの楽しみ方」になるのではないでしょうか。
★エコツアーカフェ in 神戸★
「六甲ミーツ・アートの楽しみ方」
【ゲストスピーカー】高見沢 清隆さん(オルゴールミュージアム ホール・オブ・ホールズ六甲 館長)
【日時】2011年10月12日(水)18:30-20:00
より大きな地図で エコツアーカフェ in 神戸(モンベルクラブ 神戸三宮店) を表示
【参加費】500円(飲み物付)
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972