[2011.11.09]エコツアーカフェ神戸36
ゲスト:植田 省吾さん(神戸キノコ観察会リーダー)
研究者ではなく、ただただきのこに魅かれ、素人目線でその魅力を追っている植田省吾さんの素朴なきのこばなしです。
食べる機会は多いけれど、実はあまりよく知らない「きのこ」にスポットライトを当て、その魅力に迫ります。美味しいきのこ、綺麗なきのこ、面白いきのこ、不思議なきのこ、怖いきのこ。そもそも「きのこ」とは? これを聞けば、あとはそれぞれがきのこを好きなように楽しめるようになります。
【うえだ しょうご】 神戸キノコ観察会リーダー。1962年大阪生まれ。8年前に子供と近くの里山をハイキング中、道端に巨大なきのこを見つけて「これは何だ!」というのが始まり。子供の夏休みの自由研究できのこを調べている間にはまってしまう。きのこ観察を再度公園で続ける中で集まった13人のメンバーで一昨年春に「神戸キノコ観察会」をスタート。
<神戸キノコ観察会 ウェブサイト>:http://plaza.rakuten.co.jp/shiogahara/
気になるけれどもよくわからない、きのこのあれこれを、きのこの一観察家である植田省吾さんにお話しいただきました。
お子さんと一緒に発見した巨大きのこの正体を調べ始めたのがきっかけで、きのこのおもしろさに目覚め、ついに観察会まで立ち上げてしまったという植田さん。その大きのこの写真に始まり、手書きのきのこ解説図、気になる中毒きのこのデータなど、植田さんがきのこに引き込まれた足跡がわかるようなきのこ話に、最初から会場は釘付けとなりました。
映し出される写真は、どれも植田さんのきのこへの優しい目線が表れていて、とてもきれい。また、それを紹介する口調も常に楽しげで、本当にきのこが好きなんだなと いうことが感じられます。その様子に、きのこには調べ込んだ人にしかわからない特別な吸引力があるのかしらなどと思い始めた頃、植田さんが一言。「私がきのこが好きな理由は、造形美です」。素人も玄人もないとてもシンプルな理由にちょっとびっくりしましたが、でもとても納得。改めて見ると、軸とかさとの危ういバランスであったり、色や模様であったり、ひだの透けるような繊細さであったり、と、きのこは全体でもパーツでも美しいのです!
更に次々と紹介されるきのこたちの中には、とても意外なものも。例えば、お鍋に欠かせないエノキダケ。あの白さと華奢な姿かたちは、その名も「もやし栽培」のなせる業だとのこと。本家エノキダケは太くて茶色く、野性味たっぷりのたくましいきのこでした。また、よく見るとひだが「ぼんち揚げ」や「うまい棒」そっくりの、スナック系きのこたち、図鑑にも載っていない幻の(?)蛍光緑きのこ、自分の酵素で自分のかさを溶かしてしまう自虐的なきのこ、ヒトヨタケ(の仲間)。人によっては、近寄るだけで負けてしまうような強烈な毒性を持つというカエンダケには、ほんとうに要注意で す。
お話が終わった後も、植田さんが持って来てくださった本物のきのこに参加の皆さんが集まり、興味津々、おっかなびっくり、触ったりしげしげと眺めたりしていました。きっと皆さん、これからお庭の手入れをするときや森を歩くときには、きのこの姿を求めて目を走らせることでしょう。きのこ好きが、多くのきのこ好きを生んだエコツアーカフェでした。
★エコツアーカフェ in 神戸★
「キノコ?キノコ!キノコ♪」
【ゲストスピーカー】植田 省吾さん(神戸キノコ観察会 リーダー)
【日時】2011年11月9日(水)18:30-20:00
より大きな地図で エコツアーカフェ in 神戸(モンベルクラブ 神戸三宮店) を表示
【参加費】500円(飲み物付)
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972