[2012.02.08]エコツアーカフェ神戸38
ゲスト:浅野 晴良さん(白馬堂Rokko店主)
阪急六甲駅にほど近い「白馬堂Rokko」。今回はその店主、浅野さんをお呼びし、六甲山とつながった背景や、浅野さんの目に映る六甲山の姿、歩き方、楽しみ方のヒントなど、まさに六甲山三昧のお話をしていただきます。
山歩き・アウトドアの道具や雑貨を揃えるお店、そして山歩きのツアーや地図読み講習などもしている白馬堂Rokko。ご存知の方も多いでしょう。
『たまたま実家の商売が大阪駅前に存在した登山用品店「白馬堂」。じいちゃんが登山家だったことが事の始まり。「最後まで歩いて駅に着いたらジュース買ってやる」を信じて、関西の低山を歩いて(正しくは歩かされて)いた幼少の頃の記憶は鮮明に僕の中に残っています。』 まさに山登りの一家らしいエピソードです。
その後浅野さんは一旦山から離れましたが、また戻って来ることに。その理由やきっかけ、更に六甲登山者必携の「あの」地図に携わることになったいきさつなどをご本人から直接お聞きします。調査執筆者と一緒に六甲山の地図を見ながら話を聞けば、今年の六甲山行きがより楽しくなること間違いなし!
【あさの はるよし】 1972年生まれ。アドベンチャーバケーションネットワーク(AVN)所属。YMCA野外活動のボランティアをきっかけに、野外教育、アウトドアプログラムの企画に従事。より多くの方が六甲山を訪れる機会を提供する事を思い、2007年より阪急六甲でアウトドアライフスタイルショップ「白馬堂Rokko」として用品販売、ツアーを展開している。
<白馬堂Rokkoウェブサイト>:http://www.hakubado.com/
今回は何と参加者31名、会場は満員御礼!会場に置かれたホワイトボードには、こんな言葉が。「つぐ つなぐ ひろがる」。浅野さんのキーワードなのだそうです。
お話は、浅野さんの子ども時代のエピソードから始まりました。おじいさまのお仕事が山用品のお店、とくれば想像に難くありませんが、「駅に着いたらジュース」、その言葉をひたすら信じて歩くけなげな少年は、きっとツアーの人気者だったはず! 少し大きくなり、反発心も手伝って一旦は山歩きから離れた浅野さんですが、数年後にはまた山に戻り、ある日六甲山中で携帯電話の電波の入り具合を尋ねてきた「師匠」との出会いがきっかけとなり「六甲山の浅やん」が生まれました。
楽しむための山歩きから、不特定多数の人へ発信する情報とその正確性のための山歩きへ。カメラやGPSを駆使し、古い情報は削除し必要かつ新しい情報に置き換える。でもそれだけではなく、作るからには多くの人に愛用し活用される、使いやすい地図にしたい。浅野さんの口調に熱がこもります。
踏査で得た情報を地図に反映させるには、業界のルールに則るだけではなく、使う人にとって情報がイメージしやすい記載の仕方を考えることも、作る人の大切な役目なんだそうです。例えば、車が通れる道でも、チェーンで封鎖してあればその先に車が入ってくることはないので、歩く人にとっては安心な道です。これを、道の幅や舗装状況だけで「車道」とひとくくりに色分けしてしまうのはナンセンス!歩く人・使う人の立場に立って考えると言われればなるほどですが、そんな細かい気遣いが自分の持つ地図に落とし込まれているなんて想像もしませんでした。
同時に、いつも理想の地図に仕上がるわけではないことも事実でしょう。当然のことながら予算や資料は無限ではありませんし、実際の地図の愛用者や出版社からの要求と現実との折り合いも必要です。
浅野さんがひょんなことから足を踏み入れた踏査の世界は、なかなかに手ごわく、そして同時に奥の深いもののようです。でも、だからこそ浅野さんは地図を大事に思い、地図作りに関わり続けるのでしょう。もちろん、六甲山をフィールドに。
感性豊かな子ども時代の生活体験が礎となった浅野さんの山との関わりは、深くなる一方のようです。今、浅野さんは多くの人との縁でつながった六甲山の麓で白馬堂ROKKOを開き、おじいさまと同じように多くの方を山へ、ツアーへといざなっています。白馬堂の名前とともにお家のこころをつぎ、多くの人とつながってきた浅野さんは、そのつながりがもっともっと広がって、これから六甲山が今よりももっとたくさんの人に愛される山になることを願っています。
★エコツアーカフェ in 神戸★ 「六甲三昧」
【ゲストスピーカー】浅野 晴良さん(白馬堂Rokko店主)
【日時】2012年2月8日(水)18:30-20:00
より大きな地図で エコツアーカフェ in 神戸(モンベルクラブ 神戸三宮店) を表示
【参加費】500円(飲み物付)
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972