[2012.06.14]エコツアーカフェ神戸40
樹木と共に40年。
六甲山とアジサイのよもやま話
福本市好さん(神戸市立森林植物園 職員)
6月といえば梅雨、梅雨空に映える花といえば「アジサイ」。 六甲山のアジサイの名所として知られる神戸市立森林植物園で 約40年間、樹木を見つめてきたベテラン職員からアジサイの不思議や魅力、栽培・管理の裏話、苦労話などを伺います。
6月といえば梅雨、梅雨空に映える花といえば「アジサイ」。
雨の中、次々と花を咲かせて目を楽しませてくれるアジサイですが、 考えてみると不思議がいっぱいです。
花が紫や青、ピンクなど様々な色になるのはなぜ?
同じ株から咲いている花なのに、色が違うのはなぜ?
色が咲き始めから咲き終わりで色が変わってくるのはなぜ?
今回のエコツアーカフェでは、六甲山のアジサイの名所として知られる 神戸市立森林植物園で、約40年樹木を見つめている 随一のベテラン職員である福本市好さんから、 アジサイの不思議や魅力、栽培・管理の裏話、苦労話などを伺います。
福本さんが勤める神戸市立森林植物園に日本で2つしかないという「森林」をテーマにした植物園。その名の通り樹木中心の植物園で、広大な敷地に海外の樹木も含めて約1200種が植栽展示されています。今から70年以上も前に開園した植物園ではありますが、樹木は日々成長するため、園は今なお完成していないとのこと。福本さんら職員の方々の努力と自然の力で その姿を少しずつ変えています。
アジサイという旬のお話を通して、六甲山と植物たちに愛情を注ぎ続ける 福本さんという「人」の魅力にも触れてください。
【ふくもと いちよし】 1950年兵庫県山崎町(現宍粟市)生まれ。 1969年、市職員として神戸市立森林植物園に配属以来、須磨離宮公園での4年間を除き、2012年3月に退職するまで同園勤務。退職後も引き続き技術職員として活躍中で、現在まで39年間“植物園一筋”です。
参考: 神戸市立森林植物園
今回のエコツアーカフェは、六甲山のアジサイの名所として知られる神戸市立森林植物園で、約40年樹木を見つめている随一のベテラン職員である福本市好さんからアジサイの不思議や魅力をたっぷりと伺いました。
「まだちょっと早いんやけど」と言いながらも、森林植物園で咲いている幻のアジサイと言われた「シチダンカ」などを会場に持ってきていただき、会場は一気に梅雨の風情。。
今年で72年の歴史を持つという森林植物園は、日本では珍しい樹木を中心とした植物園です。 「ここや六甲山がアジサイの名所として知られるようになったのは、六甲山ならではの独特の地形・地質の条件があったからこそ。」と、福本さん。 海に近いため空中湿度が高く、また風化した花崗岩の土壌が弱酸性のため、アジサイの花が青く美しく咲くそうです。 また、「幕末にオランダから来たシーボルトが、日本での妻“お滝さん”を慕って、青い花のアジサイを自国へ持って帰り植えたところ、青ではなく赤い花が咲いた」というお話もユーモアを交えて披露してくださいました。
環境によっても花の色は影響を受けるようですね。 たくさんの写真とエピソードで会場を満たしてくださった1時間半でしたが、一番印象的だったのは、 「一番好きなアジサイは?と聞かれたら、コアジサイやな。」という福本さんの一言。 コアジサイは、アジサイの特徴の1つである、装飾花がなく、一見地味なアジサイ。 福本さんは、「飾り花のない、ひかえめなのがいい」「夕方ちょっと陰ってきた頃に、斜め横から見るのが好きだなぁ」と目を細めていました。
アジサイを含め、六甲山の樹木・草花を40年に亘って見つめてきた福本さん。 その重みとともに、たくさんのユーモアを交えた明るく楽しい話に会場がみなさんの笑い声で包まれた6月のエコツアーカフェでした。 早速、森林植物園にアジサイと、それを愛してやまない福本さんに会いに行きたくなった人も多かったのでは?
梅雨を彩るアジサイの花。
★エコツアーカフェ in 神戸★ 「樹木と共に40年。六甲山とアジサイのよもやま話」
【ゲストスピーカー】福本市好さん(神戸市立森林植物園 職員)
【日時】2012年6月14日(木)18:30-20:00
より大きな地図で エコツアーカフェ in 神戸(モンベルクラブ 神戸三宮店) を表示
【参加費】500円(飲み物付)
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972