[2012.1.11]エコツアーカフェTOKYO42
カタい話をやわらか~く。
ジオパークでめぐる地球46億年近年国内でも注目されている“ジオパーク”。地質・地層・噴火口など、知れば知るほどおもしろい!悠久の歴史を感じられるダイナミックな世界へお連れします。
見慣れた街をあたらしい視点から再発見しようという街歩きが流行しています。台地と低地をつなぐ坂道に注目したり、小さな段差に歴史を感じたり。
その足元への探求をさらに遡って、私たちの暮らす地面はどんな風に作られているのか、もっといえば日本はどうやってできたのか、地球は?
こういった疑問に答えてくれるのが、地質や地形、岩石や鉱物、噴火口やカルデラ、海蝕崖など地球の歴史の痕跡と親しめる自然公園“ジオパーク”です。
人間の生活や動植物といった内容も合わせて紹介しながら、地質というカタイ話をやわらかく~、国内外のジオパークを研究する山本隆太さんをお迎えしてお届けします。
ご参加お待ちしております。
【やまもとりゅうた】1982年愛知県生。6歳の頃に東京へ引越し。友達の家の味噌汁が赤味噌じゃなかったことに衝撃を受け、味噌汁の違いを知るために地理学を学ぶことを決意。大学時代、留学先のドイツで目にした氷河地形に感銘を受け、地形学を研究。現在は人間と環境の関わり合いの学習を広めるため、地理教育を研究している。早稲田大学助手。
“ジオパーク”というとあまり身近なイメージがない人も多いのでは?
新しい遊園地?と勘違いしていた人もいるとか。
けれども“ジオ”=地球、“パーク”=公園、という言葉の成り立ちからも分かるように、地層や地質に残された地球の営みを知ることができるダイナミックな知的興奮要素が隠された新ジャンルです。
そんなジオパークがテーマの2012年最初のエコツアーカフェには、雪の予報にもかかわらず、国内各地の観光に携わる人から、新年に一念発起!エコツアーにチャレンジしてみよう!という女性まで、新たな可能性を捜し求める人が集まり、会場は熱気で温まりました。
山本隆太さんがジオパークと出会ったのはドイツでした。これまで山本さんが見たこともない、巨大な岩。それらは地球が生きていて、地形を変えてきた証拠でした。ヨーロッパによく見られる台地地形の成り立ちを聞き、なるほど~と納得。
日本国内でも有珠(北海道)、下仁田(群馬県)、伊豆半島(静岡県)、室戸(高知県)、山陰など全国各地でジオパークへの取り組みが広がっています。特に地球の大きな働きを感じられるのがフォッサマグナ(=大きな裂け目という意味)という地溝帯です。特に糸魚川(新潟県)では日本海側の親不知海岸など多くのジオサイトを擁していて、子どもたちの地域教育にも活用されています。
“ジオパーク”には、保全、教育、観光という3本の柱があります。しかし、保全の分野だけでなく観光の分野ですら、地域の文化や動植物などの自然とからめて上手にメッセージを発しているとは言えない状況があるようです。
今夜カフェに集まった人々は、各地元で今後の展望や現時点での課題を抱えている人が多く、質疑では活発な意見交換がなされました。
教育分野の専門家である山本さんは、今後ジオパークがより広がりをもって発展するために「エコの観点」を求めているとも訴えていました。そのとっかかりを掴みたいというのが今回、エコツアーカフェに出演してくれた一番の動機だったのかもしれません。海外から国内までジオパークの魅力と可能性を探求する若き研究者の熱意を肌で感じながら、エコセンとしてこれらの人々を繋いでいくミッションに気持ちを新たにしたエコツアーカフェでした。
★エコツアーカフェTOKYO★
カタい話をやわらか~く。
【ゲストスピーカー】山本隆太氏(早稲田大学助手/地理学・地理教育論)
【日時】2012年1月11日(水)19:00-20:30
【参加費】500円(飲み物付)
【場所】日本エコツーリズムセンター事務所
東京都荒川区西日暮里5-38-5 日能研ビル2F
※会場を渋谷から西日暮里に変更いたしました
より大きな地図で 日本エコツーリズムセンター を表示
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972