[2012.07.04]エコツアーカフェTOKYO48
梅ちゃん先生のパーマカルチャー教室
自然そのものが持つ生命力を最大限に活用する農的くらし“パーマカルチャー”を実践しながら、体験講座を行なう梅ちゃん先生から、自然とつながる農的くらしの楽しさや田舎で生計を立てるコツなどを伺います。
パーマカルチャー。どこか新鮮な響きを持つこの言葉は、パーマネント(持続的・永久の)、アグリカルチャー(農業)、カルチャー(文化)から作られた言葉です。1970年代にオーストラリアで提唱され、日本でも浸透しつつあります。
自然そのものが持つ生命力を最大限に活用し、大地に負担をかけることなく、循環させながら 日々の暮らしを積み重ねていきます。そのためには1.自然のシステムをよく観察すること。2.伝統的な生活の知恵を学ぶこと。3.現代の技術的知識(適正技術)を融合させること。が大切だといいます。
長野の安曇野や、山梨・都留で、パーマカルチャーを実践する梅ちゃんこと、梅崎靖志さんは、 自分自身が農的な暮らしに軸足を置きつつ、得意なことを生かしながら、人と人、人と自然をつなぎ、地域を元気にするお手伝いをして行きたいといいます。
梅崎さんが得意なこと、それは、植物や自然のことがよく分かること、自然とつながる暮らしの楽しさを伝えること、そして体験活動をとおして人を育てること、でした。
毎日の暮らしや講座の中で、草も虫も敵としない自然農の作物栽培や、自宅でできるコンポスト(堆肥)づくり、養蜂を通じて自然の恵みをいただくことも。また、自宅の改修を自分でやったり、太陽熱や薪などの自然エネルギーを取り入れたり、自分の暮らしに自分の手で、循環を作り出す取り組みもしています。
田舎で農的暮らしを営みつつ、暮らしそのものが体験や学びの場となる。好きなことをカタチにしながら田舎で暮らし、生計を立てる。こんなライフスタイルをデザインして実践する梅ちゃん先生から、人と自然をつなぎ、自分や仲間の得意なことや好きなことを活かす生き方をレクチャーしていただきます。
【うめざき・やすし】 大学卒業後、自然体験型の環境教育に仕事として携わり、約20年。各地の環境教育施設で、自然体験プログラムの開発と提供、ボランティアやスタッフの育成などに取り組んできた経験を持つ、体験から気づきと学びを引き出す専門家。 仲間とともに運営する年間講座「安曇野パーマカルチャー塾」は今年で10年目。永続可能な農的暮らしの実践方法を、ワークショップ形式で伝えている。 山梨県都留市の農村集落の古民家を拠点に、「風と土の自然学校」を家族で営みつつ、パーマカルチャーの考え方を基本とした循環型の田舎暮らしを実践中。草も虫も敵とせず、耕さず、肥料や農薬を使わない自然農をベースに、2反の田畑で作物栽培を行う。自分らしく自然と共に暮らすライフスタイルを実践する基礎的な知識と技術、考え方を学ぶ年間講座「自然農と手づくり循環生活 実践コース」を開催。趣味は養蜂。里山の動植物にも詳しい。仲間からは“梅ちゃん”と呼ばれている。
参考: 手作り自然生活:風と土の自然学校
長野・安曇野や山梨・都留でパーマカルチャーを実践し、風と土の自然学校をひらいている梅ちゃん先生こと梅崎靖志さんのエコツアーカフェは、塾生さんや田舎暮らしに関心のある方などが集まり、和やかにオープンしました。
“パーマカルチャー”は特定の農法はありません。1.耕さない 2.草も虫も敵としない 3.持ち込まない・持ち出さない という原則をもとに、自然の営み・循環の中で作物を育て、地球上に、人も動植物もずっと行き続けることができる循環を目指します。
たとえば、ニワトリが一匹いたら、どのような循環が考えられるでしょうか。
参加者の皆さんにも問いかけます。
あるところで不要になったものを別のところで利用する循環をデザインする。
これを“システムデザインする”と呼び、循環型生活のキーワードのように感じました。
また、自然学校職員を経た梅ちゃんが、自営業でパーマカルチャーと体験講座を通して、どのように田舎で暮らしているのか、5つのポイントも赤裸々にお話くださいました。
そこでは住居などの生活基盤も仲間たちといっしょに自分でなんとかしてしまいます。
とくに「生計を立てる」ポイントなどは眼目。固定の勤め先を見つけ田舎に生活する従来のライフモデルではなく、「自分でできることは自分でやる」「お金を介さないサービスのやりとり」を通して、小さく稼いでいく具体的なお話に。スローライフとはいえ、やることが沢山あって生活を安定させるには、工夫が必要という言葉も実践者ならでは。
貨幣経済ではなく、労働交換もしくは、物々交換の経済という、縁がつながる経済原理へのシフトチェンジも分かりやすかったです。
移入者として目立ってしまう立場でも、気持ちのよいコミュニケーションを心がけながら、自分の軸を大切にする、どんと肝の据わった「あわてない」余裕も必要なのだと言います。
ご家族の理解と協力もとても助けになっているようです。カフェ当日も、田んぼの水遣りを代わっていただくよう頼んできたとのことで、感謝です。
そのように「つながりあい、かかわりあい、教えあい、分けあい、支えあい」を大切にするパーマカルチャー的な生き方は、農業に関心ある人にだけでなく、“現代を生きる人の羅針盤になる”とまとめ、梅ちゃん先生のチャレンジにさらなる期待を抱かせ、カフェはひとまずクローズしました。
いまの梅ちゃん(梅崎靖志さん)の活躍が分かるのはこちら。手作り自然生活:風と土の自然学校
自然農の畑から安曇野シヤロムヒュッテを望む。
屋根の上にも石を並べて-ロックスパイラルガーデン。
ネイティブインデアンの移動用の天幕“ティピ”と同じ方法で支柱を立てて、菜園にします。
今年の春、陸苗代に種もみを“ばらまき”しました。種もみの間隔は、3センチ位。
くっついたり近すぎたりするものは、1つ1つていねいに離します。
梅ちゃん先生のパーマカルチャー教室
【ゲストスピーカー】梅崎靖志氏(風と土の自然学校 代表)
【日時】2012年7月4日(水)19:00-20:30
【参加費】500円(飲み物付)
【場所】日本エコツーリズムセンター事務所
東京都荒川区西日暮里5-38-5
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【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972