[2012.08.07]エコツアーカフェTOKYO49
真夏のスパイダー作戦
三陸の伝統に 生き抜くチカラを学べ!!
東日本大震災で大きな打撃を受けた宮城の漁村・歌津(うたつ)に伝わる自然を活かす知恵を「生き抜く」チカラに!子どもたちと一緒に学ぶスパイダー氏が、被災した町での取り組みを語る。
東日本大震災で大きな打撃を受けた、宮城県南三陸町の小さな漁村・歌津(うたつ)。三陸リアス式海岸が育んだ海と里山が一体となったこの町に脈々と流れる生き抜く知恵と助け合いが、電気・ガス・水道・交通が寸断された震災時も役立ったといいます。
ライフラインのない環境、厳冬を乗り越え、子どもたちと自然の中で生き抜く知恵を身につける“てんぐのヤマ学校”を主宰する蜘瀧 仙人氏(通称スパイダー)をゲストに迎えます。歌津町の伝統と文化、震災前には縁もゆかりもなかった被災地へ移り住んだ経緯、地元の子どもにも人気のヤマ学校の活動、祭りや文化の復興、地元で受け入れられることで次第に増えていった仲間たちなど。この一年を振り返りながら、この夏展開される作戦や東北のこれからを語ります。
この夏、スパイダー氏はてんぐのヤマ学校で、ある作戦を実施する。古道をたどって高台の道を探検し、自然遊びを通して子どもたちが避難路を覚える。森に分け入り、ライフラインもない、炊事道具もない、そこにあるモノを工夫してサバイバルする野営。将来経験するかもしれない大災害をシミュレーションしながら、自分の頭で考え、みんなで工夫し、生き抜く実体験をするヤマごと防災訓練のような斬新なキャンプです。
被災地での試みが、現代の私たちに問いかけるものとは。
東日本大震災で大きな打撃を受けた、宮城県南三陸町の小さな地域、歌津(うたつ)で “てんぐのヤマ学校”を主宰する蜘瀧仙人氏(通称スパイダー)。作務衣に足袋、手甲に手ぬぐいの姿は忍者かヌシか!?と、思いきや、実は震災前まで東京で蜘蛛の研究とビオトープ管理士をしていたのでした。
震災直後、居ても立ってもいられなかったスパイダー氏はRQ※市民災害救援センター http://www.rq-center.net/ に参加し、RQ歌津センターに入ることとなった。被災状況下そのままの暮らしがあった歌津は、電気はソーラーパネルでまかない、水も給水車、家はテントとサバイバル生活だった。
サバイバル生活の中、またいずれ来てしまう自然災害に備えるためにスパイダー氏は「次世代の子どもたちに生きるライフラインとは何かを教えることが大切だ」と考えた。それは、災害時に助けてくれるのはお金では決してなく、火を熾す術、水を得る術、保存食、人との協力関係だということが身に染みたからだ。そして、自然の中で自由に遊びながら子ども自ら工夫するすべを学んでいた普遍的な遊び“ヤマ学校”を復活させることにした。
ヤマ学校とは・・プログラムの中の遊びではなく、子どもたちが自由に遊びを作り、時に友達と学校をズル休みして、山でかくれんぼしたり、魚を捕ったりして遊ぶことを昔歌津では『ヤマ学校する』といいました。ケガなどの失敗から学ぶことも特徴。
歌津の地域は山と海が近かった為、山と海の両方の知恵や伝統が残っていた。そこでスパイダー氏は、伝統の遊びや、祭り、古道などにも着目し、次々とヤマ学校に取り入れ、子どもたちに伝えていく活動も展開していった。
冬を迎えようとした時「あんたね!雪が降ったときに私たちの本当の気持ちが分かるのよ!」地域の漁師のお母さんに言われたことがサバイバル心を更に燃え上がらせたという。現代にはストーブや防寒服など便利で高価な品物が数々あるが、昔の家はみな隙間風が入り、寝息で布団が凍ったというが、それでも生きていた。それは、山や海の幸をきちんと食べ、自然の流れに沿った生活をしていたからに他ならなかった。スパイダー氏もそれに習い、生活を始める。すると、自然と体が順応し、厳しい歌津の冬を越すことが出来たのだった。
「“ごっこ”も本気でやると本物になる」とスパイダー氏。津波直後、三嶋神社の大祭が開催できず、オモチャのようなお神輿で子供達とお祭りごっこを開催した。だが、その時の子ども達の“ごっこ”はとても素晴らしく、祭りの所作や決まりごとを見事に再現し切ったのだと言う。それを見たスパイダーや地域の大人たちにも熱が入り、震災の年にはできなかった祭りを今年は復活。そこにも、子どもたちとスパイダー氏は手作りの子供神輿で参加。歌津の地域が大変盛り上がったそうです。
他にも、古道の冒険や、シロウオ祭りの復活、ワイルドキャンプなど次々と企画実行するてんぐのヤマ学校の活動。これからも、ヤマ学校と共とスパイダー氏は歌津の子どもたちの未来に繋がるよう、活躍を続けています。今後の活動はホームページでチェック!http://utatsu.blogspot.jp/
RQでの紹介http://www.rq-center.net/aboutvol/experience/obog_spyder
これからの歌津についても、また聞かせてほしいと思います。また、他の現地で活動している方についての紹介も興味を持ちました。
【くもたき・のりと】2011年3月11日の東日本大震災を受けて、RQ市民災害センターのいち拠点・歌津センター(宮城県南三陸旧歌津町)前の隠れ谷「さえずりの谷」に夏から住居をうつし、越冬。被災地型自然学校「てんぐのヤマ学校」を主宰し、歌津に伝わる自然を活かす伝統文化や遊びを通して学んでいく活動を展開中。もとは蜘蛛の研究者で、日本蜘蛛学会自然保護特別委員。ビオトープ管理士。岩手県和算研究会員。
参考: てんぐのヤマ学校
協力: 一般社団法人RQ災害教育センター
★真夏のスパイダー作戦★
三陸の伝統に 生き抜くチカラを学べ!!
【ゲストスピーカー】蜘瀧仙人氏(てんぐのヤマ学校 代表)
【日時】2012年8月7日(火)19:00-20:30
【参加費】500円(飲み物付)
【場所】日本エコツーリズムセンター事務所
東京都荒川区西日暮里5-38-5
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【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972
【協力】一般社団法人RQ災害教育センター