[2013.2.28]エコツアーカフェTOKYO54
よそもん・わかもんと共に、集い・語らい、熱くなれ!
復活した過疎地の青年団・団長からの報告福井県・上味見地区では、地元以外の若者が中心となって青年団を結成しました。農作業に従事し、祭りを担う県外に住む若者たち。彼らはなぜ縁もゆかりもない地区に集うのか。ヨソモノ若者の青年団はどのように結成されたのか。団長が語ります。
福井県福井市の美山地区の上味見(かみあじみ)地域は、人口は300人、小学校も廃校になるなど典型的な過疎化地域。2001年から廃校跡を拠点としてNPO法人自然体験共学センターによって自然体験活動など地域活性化の取り組みが行なわれています。
そんな上味見地区で、青年団が再結成されました。団長は兵庫県生まれで現在はNPO職員の伊藤弘晃さん。何十年ぶりに復活した盆踊りや、伝統野菜・赤かぶらの焼き畑農業手伝いやリヤカーに積んで京都まで行商に行くなど、若者ならではのバイタリティーで地区を盛り上げています。
地域の人も「夢にも思わなかった」と語る青年団復活。地域の人たちの後押しや、各団員たちの思い。そしてこれからの青年団の行方を、伊藤団長が語ります。
ヨソモノ・若者が地域で活動するにはどうすればいいのか?そんなモヤモヤを抱えた方にもぜひ聞いて欲しいお話です。
[いとう・ひろあき]1983年兵庫県生まれ。大阪の大学に通っていたとき、チラシで知ったNPO法人自然体験共学センターの自然体験活動のボランティアの参加をきっかけに上味見との縁ができ、住民との交流を重ねる。大学院卒業後、上味見との離れがたさが募り、同センターの職員となり、子どもの体験活動や都市と農村の交流事業の企画・運営に携わる。2011年9月に、県外から訪れる若者も含めて同地区の青年団が結成され初代団長となる。
福井駅から車で1時間ほど走った山間地にある“上味見地区”にJターンした伊藤弘晃さん。Jターンのきっかけは、大学時代にふるさとに似た雰囲気が好きになり週末通いを始めたことでした。
大学4年を迎えた頃に「このまま卒業して就職して、上味見に通えなくなる自分の生活は考えられない」と、上味見に惚れ込んでいたのかと気づかされたのでした。その時、調度採用募集をしていた自然体験共学センターに応募し、みごと就職したのでした。
自然体験共学センターには関西圏からたくさんの大学生が訪れます。中には自発的な活動をおこなう学生もいて、伊藤さんはそれをこころよくうけとめます。昨年は「上味見地域を盛り上げたい!」」と、京都産業大の学生2人が“河内赤かぶら”という伝統野菜を1日リヤカーを売り歩くプロジェクトを実施。小浜市を出発し、鯖街道を通り約100キロ先の同大へ歩いて行商を行い、60袋が完売しました。
赤かぶらをはじめ、ツリーハウスづくりやお祭りの参加など、学生や伊藤さんなどの若手が頑張る姿を見た地元の方が「まるで青年団みたいだね」と言ってくれた。実は、上味見地区の青年団は若手不足で20年前に消滅していたのでした。そこで、住んでいるのは伊藤さんだけであるが、週末に来てくれる学生も青年団のメンバーの一員として「新・上味見青年団」を結成したのでした。
「祭りや文化をしっかり受けついで行く。学生は県外出身者だからこそ気づく魅力を活かし、新しいことに取り組んでいく」と団長としての意気込みを語ってくれました。
現在、若者は農山村から都市部へどんどん移り住むようになり、日本の都市人口は農村人口を上回っています。しかし、上味見のような農山村は、日本が出来てから養われてきた伝統や文化、生活の知恵があふれていて“日本を一番感じられる場所”。「このままだと日本人の心がなくなってしまう。」と危機感をもつ伊藤さん。そのためにも、青年団の活動により力を注ぎ、日本人としての誇りを守り、次の世代につなげていきたい、地域の気体に応えたいと意欲に燃える伊藤さんは目を輝かせていました。新・上味見青年団の活動は始まったばかり!これからの活動に期待です。
最後は参加者からたくさんの質問がでました。青年団の復活についてや、私も伊藤さんのように実践したい!などと大変盛り上がりました。
伊藤さんがいる自然体験共学センターの軌跡が本になりました!ご興味ある方ぜひご購入下さい。お手ごろ価格の500円です。「過疎地に飛び込んだNPOの軌跡」
★エコツアーカフェTOKYO★
よそもん・わかもんと共に、集い・語らい、熱くなれ!
【ゲストスピーカー】伊藤弘晃氏(新・上味見地区青年団 団長)
【日時】2月28日(木)19:00-20:30
【参加費】500円(飲み物付)
【場所】日本エコツーリズムセンター事務所
東京都荒川区西日暮里5-38-5
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