[2015.10.27]エコツアーカフェTOKYO83
南フランスエコミュゼ訪問記
1000mの岩稜を結ぶルドゥ-ル・ガボ地域フランス南部、観光地ニースの北に広がる標高1000mもある岩稜地帯は、自然の砦として機能し、その尾根の上には小さな集落(自治区)が数多く存在します。この自治体を結んで30年前に作られたエコミュゼは、今も元気に存続しています。昨年秋の訪問記です。
フランス南東部、イタリアと国境を接するアルプ-マリチム県にあるルドゥ-ル・ガボは、観光都市ニースに隣接しています。県人口の8割を越えるニース市とその周辺の平地部に対して県の8割は1000m級の山岳地帯。そこに2割弱の人々が石灰岩質の切れ込んだ深い谷間と比較的なだらかな山稜の上に小さな集落(ほぼ1つのコミューン)が点在しています。
そのニース文化圏とは異なり、この地域はガボ(gavot)と呼ばれる山岳居住の民俗文化を持つ地域で、かつては言語もガボと呼ばれる地方言語を使っていました。
法人格を持ち、23のコミューン・県などからなる自主的でボランタリーな市民委員会で組織されています。
1986年、エコミュゼはピュジェロスタンや広域ルドゥ-ル地域の活性化を提案し、法人として認可されもうすぐ30年を迎えます。
ミュゼが30年間存続して来た理由は、国が上から始めた訳ではなく、地域の人々が始めたものなので、ボランタリーにサポートする人々や体制があるので存続できているという。このミュージアム事業の成功で住民の数も当初19人だったのが現在は114人にまで増えたといいます。
その目的は決して観光ではなく、アイデンティティーの再構築にあるといいます。観光経済の振興が前に出ようとする日本のあり方とはニュアンスが違っいました。そのあたりを紅葉し始めた美しい南フランスの写真を見ながらみなさんと考えてみたい。
高田研氏[たかだ・けん] 都留文科大学社会学科 教授
都留文科大学社会学科 教授。1954大阪生まれ。兵庫県,大阪府にて公立学校教員、文部省施設を経て岐阜県立森林文化アカデミーの後、現職。専門は環境教育。徳島,大阪の高等学校において学校改革支援。現在は森のようちえんに熱中。 公害地域の今を訪ねるスタディツアーを3年実施、全国公害資料館連携フォーラムの開催今年で3年目。
★エコツアーカフェTOKYO★
南フランスのエコミュゼ訪問記1000mの岩稜を結ぶルドゥ-ル・ガボ地域
【ゲストスピーカー】高田研氏(たかだ・けん) 都留文科大学社会学科 教授
【日時】2015年10月27日(火)19:00-20:30
【参加費】500円
【場所】モンベルクラブ 渋谷店 5F
東京都渋谷区宇田川町11番5号 モンベル渋谷ビル
*モンベルクラブ 渋谷店は渋谷東急ハンズ向かいにあります。
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【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972