<報告>連続セミナー『教育と刃物』
刃物と教育の事情に通じた講師12人による年間リレー式の連続セミナーをまとめてレポートにしました。
かつての日本では、誰もが1本の刃物を巧みに操り、暮らしに関わるさまざまな「モノ」や「コト」を作り出すことができました。 ところが、この半世紀ほどの間に社会の状況は一変しました。判断力の未熟な子供からは刃物を遠ざけるべきという風潮が定着すると同時に、先端技術やサービス産業の発達により、ひとりひとりが毎日刃物を使いながら暮らしをクリエイトする必要性も薄れました。 この異変を、とても重大なことととらえ、「刃物」をテーマに日本エコツーリズムセンターでは、刃物と人間の本質的な関係を振り返り、刃物をめぐる現状と課題、刃物教育に関する各種の先進事例、専門家による教養・実技講座など、刃物を軸にした幅広いテーマの連続セミナーを2013年6月から2014年5月まで開催しました。
本書はその講演録です。自然体験や教育に携わる方々をはじめ、お父さんお母さん、地域活動に関わる方など、多くの方の目に届くことを願っています。
【facebook】に「教育と刃物」の特設ページがあります。
[コーディネーター]
鹿熊勤氏(自然系ライター)
【かくま・つとむ】1960年生まれ。アウトドアや農林水産業、日本の伝統技術などの分野で取材を続けるライター。野鍛冶を訪ね、地域の特徴的な刃物や技術を記録。訪ねた鍛冶屋は全都道府県計140軒を超える。近年は教育と文化の視点から刃物に関する提言を続ける。著書に『日本鍛冶紀行』『はたらく刃物』(ワールドフォトプレス刊)など。日本エコツーリズムセンター理事。
[日本エコツーリズムセンター理事]
山中俊幸氏(日本エコツーリズムセンター副代表理事)
【やまなか・としゆき】雑誌・書籍・新聞・WEBの編集・記事制作、企業広告・商品広告の制作を行う広報のプロ。エコツアーや環境関連情報を発信するウェブサイト上の情報を一覧できる「エコツアー・ドット・ジェイピー」の制作者。
[株式会社クールインク代表]
[刃物クラフト講師]
関根秀樹氏(和光大学非常勤講師/原始技術史)
【せきね・ひでき】1960年生まれ。和光大学や桑沢デザイン研究所などの非常勤講師。古代発火技術や民族楽器の実践研究で知られ、パプアやアフリカの狩猟採集民の火起こし名人たちと競争して勝ったり、ネイティブアメリカンの長老たちに火起こしをレクチャーしたこともある。刃物に関する造詣も深く、古代の石器や日本の鍛冶技術を含む民俗刃物に通じる。各地で木や竹のものづくりワークショップを開催。主な著書に『縄文人になる!』(山と渓谷社)、『刃物大全』(共著・ワールドフォトプレス)、『新版 民族楽器をつくる』(創和出版)など。
[全12シリーズ報告書]
第1回 |
人類と刃物──考古学・文明学・身体科学の視点から2013年6月28日(金)19:00~21:00講師:関根秀樹氏 |
第2回 |
銃刀法の現状とその影響2013年7月26日(金)19:00~21:00講師:服部夏生氏 |
第3回 |
子供と刃物──肥後守(ひごのかみ)で鉛筆を削る学校2013年8月30日(金)19:00~21:00講師:鹿熊勤氏 |
第4回 |
子供と刃物─ 冒険遊び場プレーパークでの刃物の役割2013年9月27日(金)19:00~21:00講師:天野秀昭氏 |
第5回 |
子供と刃物──ナイフメーカーの脳育教育の取り組み2013年10月24日(木)19:00~21:00講師:ビクトリノックス・ジャパン株式会社 田中麻美子代表取締役 |
第6回 |
子供と刃物──山村留学のこどもが言いました。
2013年11月22日(金)19:00~21:00 |
第7回 |
3.11避難所での物づくり~刃物のチカラ~2013年12月7日(土)14:00~17:30講師:小野寺弘司氏 |
第8回 |
狩猟とナイフ──自然教育ソフトとしての解体技術2014年1月30日(木)19:00~21:00講師:森のたね代表 井戸直樹氏 当時の開催概要 |
第9回 |
スカウティングと刃物
2014年2月28日(金)19:00~21:00 |
第10回 |
森の匠の刃物講座2014年3月28日(金)19:00~21:00講師:佃正壽氏 |
第11回 |
野遊びと刃物
2014年4月25日(金)19:00~21:00 |
第12回 |
最終回 教育と刃物 刃物を作る人、使う人
2014年5月29日(木)19:00~21:00 |
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972