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[2012.02.11-12]エコセンシンポジウムin都留

今度のシンポジウムは山梨開催

エコセンシンポジウムin都留
若手猟師の活躍で獣害の現場はどう変わる?

獣害対策に前向きに取り組む若手の声を紹介します。現場を見るツアーもご用意! ご期待下さい。

 

イノシシ、シカ、サルなどの野生動物が、農村部で農家を苦しめています。全国の被害額は200億円とも言われる中、農作物や森林にこれ以上被害が及ばないよう、各地で様々な取り組みが行われています。そのひとつが狩猟。自然学校で働きながらや、エコツアーガイドをやりながら猟師として活躍する若者もいます! 実際に野山をフィールドに活躍する猟師の声を聞きながら、野生動物との付き合い方、駆除と保護のバランスを考えるシンポジウムを開催します。

 

シンポジウム翌日には獣害や猟の現場を見に行くエクスカーションを実施します。エクスカーションだけの参加ももちろんOK。ふるってご参加ください。

 

エコセンシンポジウム

 

エコセンProject05

 

エコセンシンポジウムin都留 若手猟師の活躍で獣害の現場はどう変わる?

2月11日(土・祝)

第1部◎基調報告

基調講演「全国的な獣害被害の状況とその対策」

鹿熊勤氏 フリーランスライター、
ビーパル地域活性化総合研究所主任研究員

 

鹿熊勤

[かくまつとむ]1960年、茨城県生まれ。評論からインタビュー、特集企画、通販の文案支援まで請け負う活字のひとり総合商社。雑誌界を中心に生息し、一人称の原稿を筆名のかくまつとむ、三人称の取材記事は本名の鹿熊勤で書いている。ライフワークは自然から生まれた知恵の記録。著書に『葉っぱで2億円稼ぐおばあちゃんたち』、『仁淀川漁師秘伝』、『木を読む』(いずれも小学館)、『江戸和竿職人歴史と技を語る』(平凡社)、『日本鍛冶紀行』(WPP)、『紀州備長炭に生きる』(農文協)など。


 

事例1 「半猟半ガイドの生活」

井戸直樹氏 ホールアース自然学校職員

 

sympo/ido.JPG

[いどなおき]第一種猟銃免許、罠猟免許を所持している、猟師3年目。ホールアース自然学校職員であり、半猟半ガイドの生活を営む。学生時代は「鹿と森の関係性」について研究しており、現在、狩猟活動と同時に森づくり活動にも取り組んでいる。


 

事例2 「害獣を益獣に」

虎谷健氏 農業法人勤務

 

虎谷健

[とらたにたけし]約20年間有機農産物の流通会社「大地を守る会」勤務。契約農家さんとの交流の中で獣被害を知り、狩猟免許取得を決意。現在第一種銃猟免許とわな免許を取得し丹沢山系でシカ、イノシシを捕獲する狩猟グループに所属。狩猟技術を田舎暮らしの一手段と考え、自ら実践。2012年より東京を離れ群馬県榛名山麓にある農業法人に就職。栽培管理業務を行いながら畑にやってくる獣を山の恵みと捉え、獣の利活用も検討している。


 

事例3 「森の暮らしで出会った狩猟」

加藤大吾氏 NPO法人都留環境フォーラム代表理事

 

加藤大吾

[かとうだいご]幼少から青年期を東京都新宿区で過ごす。様々な暮らしと仕事を経験しながら、森の中での暮らしを選択し、山梨県都留市に山を購入する。当時、妻1人、子ども2人、家は都営住宅、貯蓄もないし、豪華な車もないし、かじれる親のスネもない。そんな中で森の中で暮らすという挑戦が始まる。資金も少なく、自分で木を切り倒すところから開拓し、道を作り、家を建て、畑と田んぼを始める。罠での狩猟2年目。


 

第2部◎パネルディスカッション

第1部4名の報告者とエコセン世話人、そしてシンポジウムに参加するみなさんとともに、ディスカッションを行います。

 

全体コーディネーター

広瀬敏通氏(日本エコツーリズムセンター代表理事)

高田研氏(都留文科大学 教授)

 

パネリスト

鹿熊勤氏(ビーパル地域活性化総合研究所主任研究員)

井戸直樹氏(ホールアース自然学校職員)

虎谷健氏(農業法人勤務)

加藤大吾氏(NPO法人都留環境フォーラム代表)

エクスカーション

2月12日(日)

「かとうさんち裏山ツアー」

一から自力で森を拓き家を建て、田畑を始めた加藤大吾さん。そのかとうさんちを見学します。開拓から現在の生活までの軌跡と生態系の中で暮らすことで学んできたことをお話しいただきます。母屋、ゲストルーム、家庭菜園、家畜小屋、その他、暮らしぶりを垣間みることができます。

かとうさんちから裏山に入り、猪の罠を見学します。足跡、ぬた場、その他様々な猪や鹿の痕跡を発見し、動物の視点に立って動物の動きや習性を想像します。

 

ガイド

加藤大吾さん

 

 

※このシンポジウムは、平成23年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催されます。

 

 

 

シンポジウム当日、学生、獣害被害に悩まされる行政担当者、大学研究者や自然学校スタッフなど多くの参加者が集まりました。

 

 

 

鹿熊さんの講演では、獣害の歴史と現状、対策としての活動事例が紹介されました。西日本だけでなく、近年では東日本にも被害が広がっていて、200億円とも言われていた被害額規模が230億円にまで膨らんでいるという報告がありました。また、農村部だけでなく都市部でも、荷物を奪われる、野生動物に咬まれるなどの被害が出ているようです。全国各地で展開されている、獣害を逆手にとった地域おこしの例や、その裏にひそむ課題などは参集者の関心を誘いました。

 

続いて、エコセンでも注目している“狩猟”という方法で、獣害対策に取り組んでいる3人の若手猟師の皆さんから、狩猟と出会った経緯、どのような思いで猟をやっていらっしゃるのか具体的にお聞きしました。

 

 

虎谷さんは、学生時代から自然が好きで、日本だけでなく海外の自然公園などをよく訪問していたと言います。卒業後は、有機農業に関わる仕事に就きましたが、そこで出会った農家の方との交流の中で獣害被害の実態を知ります。これからは田舎で暮らしたい、田舎で何か自分に出来ることはないだろうかと考えたときに浮かんだのが狩猟。それ以来、狩猟免許を取得して、地元の方と共に猟に取り組んでいます。農家にしてみると憎き害獣かもしれませんが、山からの恵みは無駄なく大切に食べてあげたいと、イノシシやシカの肉を活用して燻製、ハムなど自ら製作。ご近所さんにも野生動物にまつわる情報を積極的に発信しています。

 

 

井戸直樹さんは自然学校に勤務しながら、狩猟にも取り組んでいます。井戸さんによると、自然学校のガイドと猟師は、非常に相性がいいのだそうです。と言うのも猟期が冬場(11~2月)なので、ガイドの繁忙期と重ならず、年間を通してバランスのとれた作業計画が組めるからです。猟師と言っても、有害鳥獣を駆除する活動だけでなく、動物によって傷ついた樹木の手入れなども一緒に取り組んでいて、自然学校の仕事を行う上でも狩猟によって得た知識や経験を、ガイドの仕事にも還元しながら働いている様子が分かりました。井戸さんの活躍を間近で見て、狩猟の意義に理解を深めたという人や、猟師になりたいといってくれる人も増えてきたそうです。

 

 

山を自ら開墾し、家を建て水を引いて新しい暮らしを始めた加藤大吾さんは、自給自足の暮らしを行っていましたが、丁寧に世話をしながら飼っていた家畜が死んでしまったときに、裏山によく出没するイノシシやシカを食料として活用することは出来ないかという考えから、狩猟に興味を持ったといういきさつを教えてくれました。昔、サルの被害が大きかったという大豆畑で、自らあみ出したサル撃退方法で真っ向勝負したお話や、被害の出にくい畑を目指して試行錯誤を行っているお話など、ユーモアを交えて語っていただきました。野生動物と自分(人間)をつなぐ飼い犬の存在や、無農薬野菜につく虫を野生の鳥が食べてくれたというお話を聞くと、自然との共生についていろいろと考えさせられます。

 

 

シンポジウム後半では、本日の発表者にエコセン代表理事の広瀬氏も加わり、パネルディスカッションを行いました。

高齢化が進み、猟師人口も減少しつつありますが、ベテラン猟師の技術をいかに伝承するかという点については、本業として狩猟に取り組めるポストを作って技術を保護・伝承するという意見や、まずはやってみる!という心意気のある若手猟師を増やす取り組みを行うというアイデア、さらには自然学校が狩猟に取り組むほか、体験プログラムに組み込んではどうかという案も出されました。

 

 

パネルディスカッションでは、会場の参加者同士も意見を交わす時間が設けられました。会場から出された質問には、パネラーが丁寧に回答を行いました。

 

 

 

翌日はエクスカーション「かとうさんちの裏庭ツアー」を開催。実際に被害の現場に出て、どのような対策が行われているのかを見学しました。市内のある集落では、地元の方々が積極的に対策にのり出しており、その成功理由について、参加者同士で意見交換を行いながら、分析しました。

 

 

これが加藤さんがいちから準備した「かとうさんち」です。最近の暮らしぶりや、現在に至るまでの苦労についてもお話を伺いました。ご自宅の鶏小屋にもお邪魔し、エサやりと鶏を育てる上での工夫についてもお話いただきました。その後、野生動物がたくさん生息しているという裏山へ。

 

 

裏山を歩きながら野生動物の足跡や糞を観察し、どのような動物の生息が考えられるか考えながら進みます。しばらく進むと、加藤さんが仕掛けたわなを発見。イノシシ用です。

 

 

山の中には、イノシシが出没したと思われる形跡がたくさん残っていました。木の幹には、イノシシのものと思われる体毛と、多数の足跡が残っていました。イノシシの毛は三又の枝毛になっていることが多いそうです。また、別の場所にはシカに皮をはがされてしまった木(写真)もありました。

実際に被害の現場を見学することによって、参加者も新たな気付きがあったようです。私たちは、自然とどのように折り合いをつけながら生きていくべきなのか、今後も考えていく必要があるとの認識を強くしました。

 

これからもエコセンは継続して、獣害問題に取り組んでいきます。ぜひエコセンの取り組みにご参加下さい。


参 加 者 の 声
  • 全体を通して「獣害」について具体的な事例から多くのことを学ぶことが出来た。
  •  

  • 暮らしの中での狩猟という側面を考えることによって私自身の生活の中にもより身近に感じることが出来ました。
  •  

  • 三人とも異なる方法でアプローチをしていたので、様々な方面から捉えることができたと思います。
  •  

  • 若手ハンターさんのつながりが増え、またプログラムの組み方、衛生法など勉強になりました。
  •  

  • 猟の現状がなかなか難しいなと感じました。これから猟師が増えていくには育成と法整備が必要なのかなと感じました。
  •  

  • 「獣害」そのものへの認識が元々なかったが昔からの日本の里山や農村地域に関わる大きな問題の一つだと実感した。森林が増えれば良い訳ではないというのも、興味深く単純ではないと感じられた。
  •  

 

★エコセンシンポジウムin都留★

 

【日 時】2012年2月11日(土・祝)13:30〜17:30 13:00受付開始

【会 場】都留文科大学 山梨県都留市田原3-8-1

【参加費】エコセン会員:500円、一般:1,000円、学生:無料

【主 催】NPO法人日本エコツーリズムセンター

【後 援】都留市/都留市教育委員会/都留文科大学

 

★エクスカーション「かとうさんち裏山ツアー」★

【日 時】2012年2月12日(日)9:00〜12:30

【場 所】都留市 かとうさんち近辺

【集 合】都留文科大学前駅

【参加費】無料

 

 

【お問合せ】日本エコツーリズムセンター

TEL:03-5834-7966 Fax:03-5834-7972

 

 

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