[2013.11.12]大人の革工場見学 Part.2
大人の革工場見学in東京
「革」がつなげる地域と自然
東京のド真ん中に革工場・・・。実は、田舎で獲れた皮を世界に誇る上質な革に加工する工場が墨田区にあったのです! その中でも獣害捕獲された獣皮を使い、エコレザーを作る山口産業へ見学の旅に出かけましょう。
動物の皮は人類最古の生活素材として 私たちの暮らしや身の安全を助けてくれました。
皮をなめしたものが革である――。これはよく知られる定義ですが、 そもそも「なめす」とはどういうことなのでしょうか?
現代の私たちは、鞄や靴のブランドについてはよく知っています。 しかし、鞄や靴という漢字の左側にある「革」という素材について、どれほど理解しているでしょうか。その種類も、呼称の由来も、加工方法も、今の私たちはじつのところよく知りません。
そして私たちは日々、他の動物の命をいただきながら生きています。 革加工は、いただいた命を最大限に活用する暮らしの技のひとつです。 動物の皮はいかにして革になり、さらに鞄や靴になるのか。 その流れを肌で知ることは、命に対する理解を深め、私たちの生き方を見つめ直すきっかけにもなるはずです。
地方の中山間地域では、いまイノシシやシカが大変な勢いで増えています。暮らしを守るために、これら獣の数を適正に戻す駆除作業が各地で行なわれています。
しかし、ただ命を奪うだけの作業は、誰にとっても気持ちのよいものではありません。奪わなければならなかった命であればこそ、大切にしなければならないのが「敬い」です。
一生懸命生きてきた証である肉を、おいしく感謝して食べる。 そして、古の人たちがそうしていたように、皮や角、牙までもむだなく利用する。この感覚を、今の暮らしにもう一度取り戻してみませんか。
クールだけれど、どこかぬくもりがあり、使い込むほど艶が増して風格が高まる。そんな革の魅力を製造過程から知ることができる、めったに機会のない工場見学会です。
天然素材を愛する方、獣害問題への発展的取り組みとして革製品の開発を考えておられる方には見逃せないツアーです。ぜひご参加ください。
レポート |
今年で2回目となる革工場見学会に、今回も多くの方にご参加いただきました。木枯らしが吹く冬らしい日となりました。
大きな樽はなめしの機械です。実際に動かしてもらい、水が勢いよくこぼれ出てきた時は、大きな歓声が上がりました。「なめし」とは皮のコラーゲン繊維を強くすること。この処理を行うことで一生ものの丈夫でやわらかい革に生まれ変わります。多くの場合は「クロムなめし」(塩基性硫酸クロムという薬品を使う)ですが、山口産業さんでは「タンニンなめし」(樹皮や柿渋などの植物性)という人にも自然にもやさしい製法で行います。
工場内では職人さんたちがかっこよく働いています。これは余分な肉片を取り除く前処理作業です(山口産業さんになめしをお願いする場合は、送る前に速やかに処理をしたほうが綺麗な革になります)。
2階は革を干すスペースになっています。ズラリならぶ革と高級感ある革の香りがたまりません。
ゆったりした会場に移動してじっくり意見交換会をおこないました。
会場には、実際になめしをしてもらって、製品化したレザークラフトも展示・販売されました。全国で広がる獣害被害。捕獲しても利用されにくい皮ですが、このように活用されることで、新しい産業につながります。また、放射能で汚染された獣でもなめすことで検出されなくなるそうです。なにより、獲られた動物たちも全てを利用してもらえるほうがきっと嬉しいですね。
さらに、前回の様子は こちらからご覧下さい。
【案内人】 山口明宏氏 皮革タンナー/山口産業株式会社専務取締役
大人の革工場見学 ~「革」の魅力再発見~
【日時】2013年11月12日(火)
13:30~14:30 工場見学
15:00~16:30 近年の革事情と意見交換会
一時解散 ※その後、希望者で懇親会
ソラマチ墨田特産品コーナー見学後ミス墨田(墨田親善大使)のいる居酒屋へ
【場所】山口産業(東京都墨田区東墨田3-11-10)[地図]
【参加費】1,000円 ※懇親会費を含まない
【定員】30名
【内容】
・革工場見学
・「革の魅力再発見」質疑応答&情報交換会
※終了後、希望者は懇親会(会費制)もあります
【主催】山口産業/日本エコツーリズムセンター
【共催】革のまちすみだ会
【お申込み】下記のお申込みフォームまたは電話、ファックスでお名前、メールアドレス、住所、ご連絡先電話番号を日本エコツーリズムセンター事務局にお知らせください。
※皮革工場と同業にあたる革なめし、染色業者の方はお申し込みできません。
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972