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[2014.2.1-2]野生動物インタープリター研修会《初級》in丹沢

野生動物との共生プロジェクト

野生動物インタープリター研修会《初級》in丹沢

動物の生態や人との関わりを題材にしたプログラムとはどんなものか? 野生動物と人との関係性をあらためて見つめ直し、共生を探るインタープリターを育成する講習会2013年度版《初級編》を開催します。

■野生動物と人をつなぐインタープリター

インタープリテーション(以下、IP)は、触れたり感じたりできるものを通してその背後にあるメッセージや価値を伝えるための技術です。野生動物を素材にしたIPでは、ただ単に野生動物を見せる、あるいは存在を感じてもらうだけではなく、その体験を通して背景にあるもの(「生きものと人とのつながり」「人と動物との軋轢」「乱獲問題」「外来種」など)を伝えることが重要です。

この講習会では、そんな生態や魅力そのものだけでなく、人との関係性や背景をも伝え、プログラム化や地域の課題解決のために行動し、野生動物と人との共生を目指す “野生動物インタープリター”を育成します。

 

■知る→理解する→行動するの3ステップ

複雑化する野生動物との関係性を伝える人材を育成するために、プロジェクトの発案者である小林毅さんらは、3ステップに分けた講習会を企画しました。

初級では「野生動物を知る」。ウォッチングやプログラム体験を通して、野生動物インタープリテーションを知る入門編です。

中級では、野生動物と人との間に存在する課題について「理解する」。 狩猟や管理といった現状の関わり、獣害などの課題を学びます。

そして上級では、野生動物を通してその背景にあるものを伝えられるIPの仕上げです。 IPの伝える技術やプログラムを通して、野生動物と人とが抱える問題を解決へ導く ための活動案を企画するなど、具体的に「行動する」人材を育成します。

地域の鳥獣害防止計画や野生動物保護管理計画にも住民への啓発は課題のひとつです。地域ぐるみの鳥獣対策ひいては、持続可能で元気な地域づくりのために、現状を正しく伝える野生動物インタープリターは必要不可欠な存在となるはずです。

 

■初級は、動物をテーマにしたプログラムを知る

今回、初級編では、野生動物を対象としたプログラムには、いろんな切り口がある、どんな目的があることを学習。受講生それぞれの立ち位置や知識や経験値や抱えるテーマと照らして、どんなプログラムが可能かを考えるきっかけにもしてもらいたいと考えています。

フィールドは、都心から2時間かからない立地ながらニホンジカやツキノワグマ、キツネなど野生動物もたくさん生息する丹沢。スギ、カラマツ、広葉樹の混交林に囲まれ、遥かに相模湾を望む施設で座学と実習を交えて研修を行います。

実習で使うセンサーカメラは、温度変化に応じて自動でシャッターを切るもので、野生動物の観察に使用されています。研修では、森の中に入って、けもの道や食痕などから、動物の通り道を推理して、カメラを仕掛け、観察方法も実践します。

また、丹沢では、シカらの食害が頻発し、その防護柵が張り巡らされ、住民と野生動物たちのイタチゴッコが繰り広げられる獣害が問題になっています。そのような課題をどのように人に伝えていくのか。“獣害問題”の具体的な実例から、伝えるヒントを探ります。

 

■人と動物の共生を探る取り組み

エコセンでは、人と野生動物の共生への取り組みとして、狩猟による野生動物の食肉活用”ジビエ”を試食や、マタギや猟師の自然との共生観に触れるエコツアー、革利用に触れる工場見学ツアー、ニワトリ解体や鹿皮クラフト教室などが体験できるけものフォーラムなどを実施してきました。

 

動物と人の生息域が拮抗する現場で、野生鳥獣と人間の間をつなぐガイドや猟師と一緒に、これからの野生鳥獣と人間の関係性を考える講座です。

 

みなさまのご参加をお待ちしています。

 

これまでの野生動物インタープリター研修会の様子

2013年中級(終了)はこちら↓

2013年上級研修会(終了)はこちら↓

 

これまでの参加者 の 声
  • 「野生動物」一つをとってもいろいろな切り口があることを実感しました。

     

  • 人間に被害があるから獣害と呼んでいるけれど、結局は人間の活動によって野生動物に影響を与え、それが結果として様々な問題が起きているということが分かりました。人間と野生動物の両方を考えた対策また普及を進めていかなければと思いました。

     

  • 実際に活動している猟師さんの話が聞けて良かった。地元の猟師さんとの共通点・違う点に気づけました。

     

  • 実際にインタープリテーションをしてみて難しさを感じた。参加者にこちらの伝えたいことを正確に伝えるのは難しいが、仲間と知恵を出し合ってストーリーを考えるのは面白かった。改良バージョン発表会もやりたい。

     

  • (インタープリテーション実習について)勉強したはずなのに…自分が上達していないことに気づきました。実践の機会をつくっていきたいと思います。

     

  • ライトセンサスや足跡の割り箸を使ったたどり方、すぐ仕事の観察会等に活用できそうです。一つ一つの項目を今後また突っ込んだ事例を学ぶ機会があったら嬉しいです。

     

  • いろんな人と知り合えたので今後の活動につなげていきたいと思います。

     

  • 動物自体になれていない一般の人や都会の人にダイレクトに野生動物の問題をぶつけても伝わらないだろうな~ということが分かりました。どうしたら良いのか分かりません。今度教えてください。

     


野生動物インタープリター研修会《初級》in丹沢

【日 時】2014年2月1日((土))~2日(日)

【場 所】表丹沢野外活動センター(秦野市菩提2046-5)

【参加費】エコセン会員:19,000円、一般:21,000円、学生割引:16,000円

【早割】1/15(水)24:00までにお申込いただいた方は、参加費を1000円割り引きます。

 (現地までの交通費、宿泊・食費、交流会費は含みません)

【主 催】NPO法人日本エコツーリズムセンター

【協 力】丹沢自然学校/神奈川県自然環境保全センター

【申込み】下記の申込みフォームよりお申込ください。

 

※この研修は一般社団法人セブン-イレブン記念財団の公募助成を受けて実施しています。

 

講習内容

◎伝える技術-インタープリテーション入門

インタープリテーションは、触れたり感じたりできるものを通してその背後にあるメッセージや価値を伝えるための技術です。人と自然をつなげます。 その技術を身に付けるためのインタープリテーションの基本をおさらいも含めて学びます。

◎センサーカメラを仕掛ける

山林に棲息する野生動物などの温度変化に反応してシャッターを切るカメラで、野生動物の観察や学術調査に使用されているセンサーカメラ。 森の中に入って、けもの道や食痕などから、動物の通り道を推理して、カメラを仕掛けます。

◎ジビエ調理、試食

講師の浅子さんは富士山麓に暮らす猟師でもあります。元・寿司職人の腕を生かして、ジビエ料理を振る舞います。

◎夜の動物ウォッチング(フィールドワーク)

動物たちには夜に行動するものたちがたくさんいます。夜の表丹沢に出かけて、野生動物に近づいてみましょう。

◎野外実習(痕跡)

足あと、食べ跡、ウンチ…。野生動物がたくさん棲息する会場周辺には動物の痕跡がたくさんあります。痕跡を素材にして、何をどんなふうに伝えるのかを体験します。

◎野外実習(生態系)

ひっそりと立ち並ぶ針葉樹、時間をかけて厚みをます腐葉土、姿の見えない中に感じる動物たちの息づかい…。森は命を育む小宇宙です。動物と森林の関係をテーマにどのように“生態系”を感じさせるか、野外で実習します。

◎野生動物と人との軋轢

会場のある丹沢山系周辺は、ニホンジカやニホンザルなど 野生動物もたくさん生息し、 農林業被害も頻発しています。 どのように対策をしているのかを紹介します。

 

講師

  

青木雄司

青木雄司

丹沢大山国定公園のビジターセンターで、インタープリターとして15年の活動経験を持つ。 環境省のすすめるモニタリングサイト1000里地調査の検討委員会として哺乳類調査に関わる。 市民参加による哺乳類調査の可能性を模索している。日本哺乳類学会、日本鳥類学会所属。 著書に「丹沢自然ハンドブック」(共著、自由国民社)、「かながわの自然図鑑〈3〉哺乳類 」(共著、有隣堂)、 「鳥との共存をめざして―考え方と進め方」共著、(中央法規)]

日本哺乳類学会会員 /モニタリングサイト1000検討委員]

吉田直哉

吉田直哉

自治体職員として自然環境保全に関わる仕事をしながら、NPO法人丹沢自然学校では「丹沢よろずカフェ」を企画。「野生動物 との共生を探る」をテーマとしたエコセンエコツアーでは、県職員のワイルドライフレンジャーに同行し 狩りの疑似体験をしながら、動物との複雑な関係性を実感するツアーをコーディネートするなど、自然と人をつなげ、地域と人を つなげる活動を積極的に行なう。大学時代から自然と旅をこよなく愛し、国内外をめぐる旅人でもあり、鉄道にも造詣が深い。 2年前からは、動物に近づく里山の暮らしの実践として、自宅でヤギを飼い始めている。

丹沢自然学校/神奈川県環境計画課]

浅子氏

浅子智昭

1975年東京生まれ。1993年よりホールアース自然学校の学生リーダーとして、子どもキャンプや自然体験活動に係る。卒業後、電気工事のエンジニア、すし職人を経て、2004年よりホールアース自然学校の正規スタッフに。2005年より沖縄のがじゅまる自然学校の校長に就任。主にキャンプ部門やアウトドアを全般的にこなしながら、家庭菜園を持ち、個人食料自給率を上げてきた。2011年ホールアース富士山本校に戻り、狩猟免許を取得。獣肉の活用やジビエ料理に取り組む。

 

ホールアース自然学校 コーディネーター/日本エコツーリズムセンター理事]

 

 

スケジュール

1日目 2/1(土)

10:30 受付開始

22:00 実習終了

 

2日目 2/2(日)

9:00 開講

15:30 講習終了

 

 

※スケジュール・内容は天候やその他の事情によって変更する場合があります

 

 

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