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[2012.2.3-5]野生動物インタープリター&ガイド養成会in丹沢

野生動物インタープリター&エコツアーガイド養成会in丹沢

国内では初めてのエコツアーガイド+野生動物インタープリターの養成講習会です。

全国で獣害被害が拡大する中、インタープリターやエコツアーガイドも野生鳥獣への認識や距離のとり方についての正しい理解が求められています。

今回は、野生動物インタープリター研修とエコツアーガイド養成講座が同時に受けられる画期的な養成会を企画しました。ワークショップで参加者同士で意見を交換しながら、野生動物との上手な付き合い方に対して理解を深めていきます。また座学だけでなく、充実したフィールドワークも組み込みました。鹿肉の調理と試食も楽しめます。

みなさまのご参加をお待ちしています。

 

昨年の野生動物インタープリター研修会の様子はこちら

エコセンProject02

 

野生動物インタープリター&エコツアーガイド養成会in丹沢 実施レポート

【一日目】

都心から2時間かからない立地ながらニホンジカやツキノワグマなど野生動物もたくさん生息する丹沢で、野生動物インタープリター&エコツアーガイド養成講座を実施しました。

 

会場は、表丹沢野外活動センター。スギ、カラマツ、広葉樹の混交林に囲まれ、遥かに相模湾を望む研修施設です。近くではお茶の栽培など農業も盛んです。

しかし、丹沢に生息するシカらの食害が頻発し、その防護柵が張り巡らされ、住民と野生動物たちのイタチゴッコが繰り広げられています。

この獣害の現場で、フィールドで活躍する猟師や野生鳥獣と人間の間をつなぐガイドを目指す人たちと一緒に、これからの野生鳥獣と人間の関係性を考える講座です。

 

2月3日に実施したエコセンエコツアーin丹沢「猟師が語るシカ猟の魅力」の様子はこちら

 

[セッション1:野生動物の理解]

動物はたとえ“野生”動物とはいっても、人の社会や経済、価値観や認知の影響を受けてさまざまな関係性で生きています。野生動物の生態にだけ注目していると、それは見えてきません。では、野生動物とはまず、どのような認知から成り立っているでしょうか?受講者からは、生態面から分布・食性・行動、家畜・外来種、保護・絶滅・進化などの声が挙がりました。

野生動物への理解は多面的であることを踏まえて、野生動物インタープリターとして把握すべき、野生動物と人との関係性を学びました。

 

[セッション2:獣害の理解]

初めて一人で仕留めたイノシシの足を親方にプレゼントされたという、講師の井戸直樹さんは、自然学校でガイドを務めるかたわら、地元の野山で猟を営む“半猟半インタープリター”。

 

実際の狩りで使用する銃弾や罠など猟の道具の解説、猟師としてのシカやイノシシの生態など、現場でのエピソードを伺いました。

その猟師の立場から、日本全国的に広がる獣害について、被害データや獣害の歴史などのお話も。全国的・歴史的な広がりをもって、獣害という野生動物と人間社会の間に横たわる問題をとらえることができました。

実際、研修場所となった丹沢には、シカが多く棲息しており、捕獲数は増えています。しかし、鹿肉は輸入量が増えていて、国内の鹿肉の活用が進んでいない現状もあり、課題は人々の意識や経済・社会の制度にも見られ、獣害の現場である里山や猟師と獣のフィールドである奥山だけでなく、都市部での関心と理解が広がることが求められています。

そんな中で、井戸さんからは、自然学校の繁忙期である“夏”と猟期が重ならないので、猟師とインタープリターは相性がいい、というお話がありました。

元は“森”での鹿の生態や森作りという興味関心から猟師の道へ入っていった井戸さんですが、二足のわらじで猟師を続けることは生業としての持続性にも、都市部や農村部など広域での獣害問題への視点にも影響を与えているようで、そのスタイルに野生動物と人間の新しい関係性を見出せました。

 

[セッション3:自然の見方、伝え方=自然語を学ぶ]

「自然語」の講義では、自然を見つめなおし、自然環境と人をつなぐガイドとしての感性を磨く大切さを学びました。

森の中を歩いて、よ~く地面や樹木の様子を観察していると、足あと、木の実を食べた残りかす、巣作り、フンなどに気づきます。それらが植物の成長や気候とからんで様々なサインを発し、動植物の普段の生態が目に見えた形となっていきます。

このように人は森や草原はたまた気象や空気、水から、たくさんの情報を受け取っています。

世界各地の自然や動植物のスライドを見ながら「これはなんだろう?」という講師の問いかけに受け答えし、エコツアーを疑似体験しているような、わくわくしながらも実践的な講義でした。

 

[セッション4:家畜(ペット)動物概論]

家畜の特長、家畜の活用などを概論としてまとめた上で、“命を食べる”ことへの抵抗感や、加熱する愛玩動物への嗜好など、現代社会の価値観に翻弄される関係性を整理し、教養と理解を深めることができました。

講師の広瀬氏が勧めるのは、ヤギや鶏などの“庭先飼育”の復活。

講義の終わりには「ヤギを飼ってみたい!」という人も出て盛り上がりました。

 

[セッション5:伝える技術]

最終日はいよいよ、「見えるものを使って、見えないものを伝える」インタープリテーションを実践です。

たとえば、野外の自然体験活動でこのような(写真左上)乱れた足あとに出会ったとき、どのように伝えれば、インタープリターとして参加者の興味を引き、理解を深めることが出来るでしょうか。

インタープリターは、自然のメッセージと、聞き手の関心をつなぐ作業です。相手に教えるのではなく、体験を通じて感じてもらえるように、刺激・挑発・啓発することが、「伝わる」ということになります。

野外に出て、見えない観念や自然の仕組みを、見えるものを使って伝える実践しました。枯れ葉を掻き分け、野山を這いずり回り、頭を捻り、悪戦苦闘しながらも、伝え手・受け手それぞれが、自然を伝えること、メッセージを受け止めることを楽しんでいました。

[セッション6:野生動物リスクマネジメント]

自然体験活動の中では、不慮の事故などリスクもたくさんあります。主催者側として、事故や自然に潜む危険性と、参加者や地域性を理解しながらプログラムを組み立てることも必須です。

実際、参加者が怪我したときの応急対処法や運搬法なども実践しました。

 

初日の鹿を追うエコツアーを含め、三日間の丹沢での講習が終了しました。 さっそく今回の講習やツアーを自身の自然観察会に応用したい、という受講者の意欲的な言葉もありました。

研究や体験活動、地域NPO、丹沢で野生生物と対峙する職員の方などさまざまな現場の方が集まる中、猟師の方も加わって、新たなネットワークが生まれました。野生動物インタープリターが今後、日本でも活躍できる兆しも見えた講習会でした。

 

 

参 加 者 の 声
  • 「野生動物」一つをとってもいろいろな切り口があることを実感しました。

     

  • 人間に被害があるから獣害と呼んでいるけれど、結局は人間の活動によって野生動物に影響を与え、それが結果として様々な問題が起きているということが分かりました。人間と野生動物の両方を考えた対策また普及を進めていかなければと思いました。

     

  • 実際に活動している猟師さんの話が聞けて良かった。地元の猟師さんとの共通点・違う点に気づけました。

     

  • 実際にインタープリテーションをしてみて難しさを感じた。参加者にこちらの伝えたいことを正確に伝えるのは難しいが、仲間と知恵を出し合ってストーリーを考えるのは面白かった。改良バージョン発表会もやりたい。

     

  • (インタープリテーション実習について)勉強したはずなのに…自分が上達していないことに気づきました。実践の機会をつくっていきたいと思います。

     

  • ライトセンサスや足跡の割り箸を使ったたどり方、すぐ仕事の観察会等に活用できそうです。一つ一つの項目を今後また突っ込んだ事例を学ぶ機会があったら嬉しいです。

     

  • いろんな人と知り合えたので今後の活動につなげていきたいと思います。

     

  • 動物自体になれていない一般の人や都会の人にダイレクトに野生動物の問題をぶつけても伝わらないだろうな~ということが分かりました。どうしたら良いのか分かりません。今度教えてください。

     


野生動物インタープリター&エコツアーガイド養成会in丹沢

【日 時】2012年2月3日(金)~5日(日)

【場 所】表丹沢野外活動センター(秦野市菩提2046-5)

【参加費】エコセン会員:25,000円、一般:28,000円

 (現地までの交通費、宿泊・食費、交流会費は含みません)

【主 催】NPO法人日本エコツーリズムセンター

【後 援】丹沢大山自然再生委員会

【協 力】丹沢自然学校/神奈川県自然環境保全センター

【申込み】下記の申込みフォームよりお申込ください。

 

※この研修は一般社団法人セブン-イレブン記念財団の公募助成を受けて実施しています。

 

講習内容

・野生動物の痕跡探し/センサーカメラの設置法(フィールドワーク)

・鹿肉調理、試食

・ライトによる鹿の頭数調査(フィールドワーク)

 ※上記は、「エコセンエコツアーin丹沢(モニターツアー)」(2月3日)として開催します。

  エコセンエコツアーのみ参加ご希望の方は、こちらをご覧下さい。

 

・野生動物の理解 

・獣害の理解

・自然の見方、伝え方(自然語)

・家畜(ペット)動物概論

・伝える技術

・野生動物リスクマネジメント

 ※研修のみ(2月4日、5日)の参加の場合、エコセン会員:22,000円、一般:25,000円となります。

 

講師

     

広瀬敏通

広瀬敏通

国内で最初の自然学校であるホールアース自然学校を1982年に創設。自然学校やエコツーリズムの第一人者として国内外で活躍。人材育成、地域つくりの専門家。国土審議会、中央環境審議会など歴任。自然学校研究所主宰、日本エコツーリズムセンター代表理事。

 

[日本エコツーリズムセンター代表理事/一般社団法人RQ災害教育センター 代表理事]

 

小林毅

小林毅

(財)日本自然保護協会主任研究員、(株)自然教育研究センター代表などを経て、現職。一環してビジターセンターのインタープリテーション、インタープリターの養成を手がけてきた。野生動物を素材としたエコツーリズムを国内外で実施。

 

帝京科学大学アニマルサイエンス科 教授/インタープリテーション(IP)協会代表/日本エコツーリズムセンター理事]

 

井戸直樹

井戸直樹

第一種猟銃免許、罠猟免許を所持している、猟師3年目。ホールアース自然学校職員であり、半猟半ガイドの生活を営む。学生時代は「鹿と森の関係性」について研究しており、現在、狩猟活動と同時に森づくり活動にも取り組んでいる。

 

ホールアース自然学校職員]

 

虎谷健

虎谷健

約20年間有機農産物の流通会社「大地を守る会」勤務。契約農家さんとの交流の中で獣被害を知り、狩猟免許取得を決意。現在第一種銃猟免許とわな免許を取得し丹沢山系でシカ、イノシシを捕獲する狩猟グループに所属。狩猟技術を田舎暮らしの一手段と考え、自ら実践。2012年より東京を離れ群馬県榛名山麓にある農業法人に就職。栽培管理業務を行いながら畑にやってくる獣を山の恵みと捉え、獣の利活用も検討している。

 

[農業法人勤務]

 

スケジュール

1日目 2/3(金)

14:00 開講

21:00 講習終了

 

2日目 2/4(土)

11:20 開講

21:00 講習終了

 

3日目 2/5(日)

9:00 講習開始

15:00 講習終了

 

※スケジュール・内容は天候やその他の事情によって変更する場合があります

 

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