NATIONAL ECOTOURISM CENTER
エコツーリズムの大きな波が、わが国に押し寄せて来ています。
世界的には自然観光から始まったエコツーリズムは、日本各地で伝統文化や里地里山、里海を舞台にしたエコツアーを次々と生み出しています。東京一極集中と地方の衰退が深刻な社会問題となる中で、エコツーリズムを地域再生のキーワードにするケースも急増しており、そこでは「地域再生に観光を利用する」という従来型の発想ではなく、「地域の環境や暮らしに誇りを持ち、交流を生み出す」ためにエコツーリズムを導入する動きが始まっています。
これに伴ってエコツアー事業者も着実に増加しており、「自然学校」を名乗る事業者の65%がエコツアーに取り組む*など、国内では少なくとも3,000、最大で7,000余の事業者が稼働していると推計されています。*自然学校全国調査(04年:環境省/06年:JEEF)
日本各地でエコツーリズムが急速に拡大する一方で、著名なエコツアーサイトでは過剰な利用による環境悪化や地域内トラブルが目立つようになってきました。ガイドラインの早急な整備をはじめ、エコツアーガイドやコーディネーターの人材養成とその品質向上を求める声がますます高まっています。
2007年6月には「エコツーリズム推進法」が成立。地域のエコツーリズムを推進するための総合的な枠組みを定める法律が策定されました。
地域の健全な再生と地域文化の持続可能な発展を実現するとともに、自然環境・地球環境を守っていくには、エコツーリズム推進のためのより実践的な運動体と、一般市民とメディアにエコツーリズムの魅力を継続的に、そして戦略的に情報を提供していく専門的な広報機関が今こそ必要です。
そこで、第一線で活躍する実践者、研究者らの智恵を束ねて、未来に貢献しうるエコツーリズムの普及を図っていくために、「日本エコツーリズムセンター」を設立することにしました。
日本エコツーリズムセンターは、“地域での実践”に力を注ぎ、日本のエコツーリズムの推進力となるべく、尽力したいと思っています。
日本エコツーリズムセンターは日本エコツーリズム協会をはじめ、国内各地のエコツーリズム推進団体と協力して、全国津々浦々までエコツーリズムを広げ、エコツーリズムを通して環境の保全と平和な社会を目指していきます。