[2012.12.5]連続セミナー『災害と減災』3
いつ来るかわからない災害。日本に暮らしていれば、被災する可能性は高い。実際に被災したら、どうするか。日ごろからどんな備えをし、被災時にはどう動いたらいいか。そして、災害を通じて何を学べるのか。エコセン代表でRQ災害教育センター代表理事の広瀬敏通が全6回のセミナーを通じて災害を多角的に紐解きます。
災害時に切実に人々が求める「情報」。情報によって人々は状況の判断を行い、自分の身の振り方を決定し、身内の安否を知ることが出来ます。ところが、情報には誤報や恣意的な操作もあり、人々を翻弄する性質も持っていることは東日本大震災と、福島原発をめぐる状況の中でよく知れるところとなりました。情報の素顔は2面性どころか多面性と言ってもいいでしょう。さらに、災害時にはこうした情報のかく乱によってパニックが心配されています。はたして、パニックは災害時に付き物なのか。必然的に発生するのだろうか。
災害と減災連続セミナーの第3回は『災害時パニックと情報』と題して、非常時、緊急時に有益な情報をいかに見分けて取り込むか、パニックを防ぐための知恵を多くの事例を交えてお話します。
[全6回スケジュール]
第1回 |
2012年11月7日(水)19:00~21:00 |
第2回 |
2012年11月21日(水)19:00~21:00 首都圏直下地震や名古屋、大阪など都市圏での深刻な被害予想の中身を検証。都市で生き抜く知恵を伝えます。 |
第3回 |
災害時パニックと情報の役割2012年12月5日(水)19:00~21:00 パニックを多角的に調べ、その仕組み説き明かします。さらに情報の持つ力と怖さも豊富な事例で検証します。 |
第4回 |
2012年12月19日(水)19:00~21:00 防災では優れた実績の日本が、「想定外」の災害で敗れ去った東日本大震災。マニュアルではない実践的な防災減災について話します。 |
第5回 |
2013年1月9日(水)19:00~21:00 「無償の行為」ではなく「自発的な行為」がボランティア。ボランティアの役割りと効果、その可能性について見てみます。 |
第6回 |
2013年1月23日(水)19:00~21:00 被災地に行ってくると自分が一皮むける、そんな経験は誰にでもあります。ところがそれこそが災害大国でとても重要な意味を持ってくるのです。 |
[参加費] 各回2,000円(飲み物、資料つき)
【ひろせとしみち】20代はアジア各地で個人NGOや国際ボランティアとして村つくりや難民キャンプ支援を行い、1982年に国内最初の自然学校となるホールアース自然学校を創設。冒険好きな子どもたちの育成に尽くした。国内外で自然学校やエコツーリズムを普及し、現在3700校ある日本の自然学校の第一人者として多くの自然学校人材を育てた。
政府の災害救援専門機関「国際緊急援助隊」創設メンバー。阪神淡路大震災では東灘小のボラセン、中越地震では川口町ボラセンをそれぞれ立ち上げて活動。スマトラやペルーにもスタッフを派遣し救援活動を行った。東日本大震災では2日後にRQ(レスキュー)市民災害救援センターを立ち上げ、現在、一般社団法人RQ災害教育センター代表理事。
レポート |
連続講座の第3回目は、災害時のパニックと情報の役割。災害という突発的な不安や恐怖による混乱した心理状態に陥った時、人はどのような行動をしてしまうのか、どうしたら混乱を最小限に抑えられるかお話いただきました。
パニックは3.11のような災害だけでなく、身近な存在としてあります。過去には韓国テグ市地下鉄火災、赤石花火大会立教事故などパニックが原因で多くの人が亡くなりました。冷静に、周囲の状況を見て判断すれば助かった事故。 また、情報を統括し、指示を出す上層部が起こすパニック「エリートパニック」。3.11時に枝野官房長官が放射能について「直ちに影響はない」と繰り返し発言していた姿は代表例です。
災害時にはデマも蔓延します。3.11では「コスモ石油火災での有害物質が降ってくる」と情報で混乱を招きました。古くは「魔女狩り」や「ユダヤ人大虐殺」もデマから始まった悲しい事件です。
最後に簡単な伝言ゲームをおこないました。10人弱に伝えるだけではあるが正確に伝わったところは1グループもありませんでした。いつかくる震災当日、どのように情報を得て行動できるかを考えさせられた会でした。
★連続セミナー『災害と減災』@西日暮里★
第3回「災害時パニックと情報の役割」
【スピーカー】広瀬敏通(日本エコツーリズムセンター代表理事、RQ災害教育センター代表理事)
【日時】2012年12月5日(水)19:00-21:00
【参加費】2,000円(飲み物、テキスト付)
【共催】一般社団法人RQ災害教育センター
【場所】日本エコツーリズムセンター事務所
東京都荒川区西日暮里5-38-5 日能研ビル2F
【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター
TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972