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RQ市民災害救援センター活動レポート11「片付けは希望への道」 |
広瀬敏通 |
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モデレータ 状態: オフライン 登録日: 2009年06月30日 投稿数: 20 |
2011年4月7日
RQ現地本部では既報の通り、登米の本部一本体制から、気仙沼市北部の唐桑半島にひとつ、石巻市北部の河北町にひとつのRQボラセンがオープンしています。 唐桑半島では『森は海の恋人』の著者で、自らも被災された畠山重篤さんのご尽力で、ボラセンにこぎつけるまでなかなか大変な調整がありましたが、無事に開設できました。 畠山さんの舞根集落は32軒の中で助かったのは4軒だけでした。 伝説と景勝の小さな集落が点在する唐桑半島は柳田國男ゆかりの地です。 私たちに場を提供してくれた小野寺たかしさんは、自ら被災しながらも地域の復興を夢見て自分の出来ることに夢中になれる素晴らしい人です。 唐桑半島の心臓部にあたる45号線沿いの壊れたローソン横で、ラーメン屋台「海岸亭」を中学生の息子たちと始めました。 300円の旨いラーメンです。「被災者から500円はとても取れないから」と、赤字覚悟でラーメンを毎日提供しています。麺とホウレン草、海苔、海藻、シナチクのどんぶり。 チャーシューが手に入らず、入っていませんが旨いラーメンです。 一方、河北町ではすでに津波の泥を被った集落の片付け作業を、ひと月にわたって行ってきた「くりこま高原自然学校」の塚本君率いるRQチームの実績によって、昨日は二つの地区長がアチコチ動いてくれ、すでに使用させていただいていた福地地区の生活改善センターに加え、一気に千照寺のお寺と横川公民館をお借りできることになりました。 河北町の大川小学校は108人の在校生が校庭に集合中に津波に襲われ、80人が亡くなっている悲劇の地です。 ご挨拶かねて訪れたわたしを、最初に案内して歩いてくれた民生委員さんは、目に入れても痛くないふたりのお孫さんをこの津波で流され、悲嘆の底にあったにもかかわらず、淡々と「ボランティアが仕事してくれる場所を作るのが自分の役目」と言って、案内してくれました。 寺と公民館が決まった時に、ホッとしたように微笑んでくれた民生委員さんの笑顔が忘れられません。東北人の強靭な忍耐力と献身を見た思いでした。 これで、河北では民家や大川中学校などの片付け、洗浄などを行うための100人規模のボランティアが必要になっていますが、7〜80人の宿泊は確保出来ました。来週半ばには一斉に大川中学校の片付け作業を行います。食事当番体制も作られます。ぜひ、みなさんの参加をお待ちします。 三陸から北関東に及ぶ、500kmの沿岸地域の広大な大地と辺縁部の低山には、おびただしい瓦礫、破片などが散乱し、林も田も畑も手を付けることができません。 これを重機で片付けるのは無理なので、人力で片付けるしかありません。お年寄りばかりでは到底無理な作業です。 片付けという仕事はか細い希望への唯一の道であり、それは被災地の再生に連なる道です。これをやることが出来るのはボランティアしかいません。 まるで『木を植える男』のような気の長い話ですが、みんなでやりましょう。汚すより綺麗にするほうが余程ありがたい時間の過ごし方です。 前のレポート<< 【目次】 >>次のレポート |
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